HISTORY
カステルブランの歴史
「カステルブラン」は、バルセロナから南西約40kmに位置するペネデス地方にある小さな村、サン・サドゥルニ・ダノイアのなだらかな丘陵地帯にワイナリーを構えています。典型的な地中海気候で、豊富な日照時間、少ない降雨量など、カヴァづくりに理想的な環境に恵まれたこの地には、100社を超えるカヴァ・メーカーが集まり、スペインの全生産量の約80%のカヴァが生産されています。
中でも「カステルブラン」は、最も古いカヴァ・ワイナリーの一つとして、1908年にヘロニモ・パレーラによって創設されました。当時は家族経営の小さな醸造所に過ぎませんでしたが、1929年「バルセロナ国際博覧会」への出品を契機に一躍脚光を集め、現在の揺るぎない地位を確立するに至りました。
創設当初は、カタルーニャ語で「Castellblanch」と表記していましたが、地元の発音では最後の「ch」は読まないことから「カステルブラン」、それ以外の地域では「カステルブランチ」と呼ばれていました。その品質の高さと共に、世界にその名が知られるようになり、2014年にはブランドのスペルを「Castellblanc」に変更。因みにこの名前は、白い外壁で囲まれたパレーラ家の旧邸宅の呼称に由来するものです。
ヘロニモ・パレーラはたゆまぬ改革精神の持ち主で、今も「カステルブラン」のアイデンティティの礎となる、基本方針の一つを打ち出しました。それは地元のブドウ農家をはじめ、「カステルブラン」のカヴァづくりに携わるすべての人々に対して、技術指導と支援を惜しむことなく提供し、常に最良のベースワインを確保するというものでした。彼はスペイン固有のブドウ品種[チャレロ種・マカベオ種・パレリャーダ種]のブレンドについても天才的ともいえる知識と感性を有しており、彼のカヴァづくりに対する情熱と創造性は、現在に至るまで変わることなく「カステルブラン」の輝く液体に溶け込んでいます。